胸に手をあてて聞いてみる
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○胸に手をあてて聞いてみた。私の胸から聞こえる声は、感謝の声より愚痴の声の方が多いように思えた。心の内は見えにくいし醜い。そんな私だなと、しみじみ思った。しかし、自分を知ることは大切なことだと思う。自分を知ることは、自分を大切にし、また他人を知っていくことにつながる。今、私が何に悩み、何に悲しみ、何に怒り、何に喜んでいるのか。そしてそれは正しいのか。それを仏法のもとで確認していくあゆみを大切にしたいし、私を促すはたらきかけがあることに感謝したい。 釋顕大
○この言葉を見て、胸に聞いてみようとしました、けれども私はどうしても頭で考えることが先に立ってしまいます。
私にとって都合の悪いことは「聞こえないフリ」をしてみたり、今の私を褒めてもらえる言葉を聞きたいと期待してしまいます。自分の都合で考えてしまい、素直に胸に聞くということはなかなかできません。
胸に手をあてて聞いてみると、素直に聞く事が出来ない私に気付くことになりました。
「素直に聞く」ということは今の私の姿を背伸びせずそのままに受け止めるということ。
この言葉から、私とは何かと立ち止まらせて見つめ直す時間をいただきました。 三島恵美里
○いつの頃からか「胸に手をあてて聞いてみろ」
ホンの数十年前までは、親が子に、上司が部下に、教師が生徒にこの言葉を投げかけ個々の自省を促したものでした。ところが、現代では胸に当てるべき手には常に携帯電話が握られゲームやソーシャルネットワークに忙しく、
が、最近実は逆なのではないかと思い始めています。「胸に手を当てること」が怖いので、スマホを握り「聞いてみる」
自分を振り返ることは、恥ずかしく時には辛いものです。
その動機は善であったか、私心はなかったか、と。 釋敏往