遊林寺|真宗大谷派(東本願寺)

2016-6

苦悩死ぬまで止むことなし ならば一生の友と呼ぼう

○人はだれでも人生の四苦八苦から、また生老病死の恐れから何とか自分だけでも逃れることができないものかと思い煩います。

私自身も「あれはどうしようか、これは何とかならないものか」と目前の困難から如何にして逃れることができるかを考える毎日です。回避することができないと分かっていても、何とか自分だけはその苦悩から解放されたいと思うが故にますます苦悩が襲ってきます。
それは、将に蟻地獄のようなもの。もがけばもがくほど、苦しみから遠のくどころか苦しみの中心に引き寄せられていく感じです。こんなに努力しているのに何故苦しみから解放されないのか、それこそ何故仏さまは助けて下さらないのかと恨めしく思うこともあります。
然しながらこれらの苦悩も私の人生を作る一部分、とどっしり構えるならばそれから如何にして逃れるかを考ることこそが苦悩の源泉であるようにも思います。そうであるならば、如何にして苦悩から逃げるかではなく、寧ろそれとどう付き合うかを考えた方が良いのでしょう。案外、苦悩の本体は私自身の心の投影、私の心が健康でないから生じる幻かもしれません。
 釋敏往
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