夕日 あの暖かい光が教えてくれる 帰る場所はあるのだと 僕は独りじゃないのだと
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温もりを忘れて
人は温もりを忘れて、相手を自分の為の便利な道具にしてしまいます。
その時、姿形は人のように見えても人間ではない生き物がそこに現れます。
「貴方、自分の事が大事じゃないの?人が犠牲になってもしかたないじゃないか。」
私たちの横で悪魔が善人の仮面を被ってささやくのです。
悪魔は、私たちが「自分の事が大事じゃないの?」という言葉に弱いことをよく知っています。
「自分が大事」が次第に「自分が好ければいい」となり自分を見失うと私の横で悪魔が静かに微笑みます。
悪魔は本当のことを見せないように誤魔化す天才です。
しかし、悪魔がいる限り仏法もまた盛んなのです。
仏は、私たちがすぐ悪魔に取りつかれることをいつでも教えてくれます。
「人は一人では生きていけない」とよく聞きますが、私たちは時々刻々の事柄において自他を敬愛する心に霧がかかって、
自他ともに利用し合うことになってしまいがちです。
その霧をはらす力が人間の温もりを取り戻す「南無阿弥陀仏」にあります。
住職 釋淳照