印刷用ダウンロードはこちら 不安は尽きることを知らない。 試験の問題は、間違いなく解くことができるだろうか。この恋は実るだろうか。仕事はうまくいくだろうか。わが子を立派に育て上げることができるだろうか。親の病気は良くなってくれるだろうか。自分亡き後、子供たちは仲良く生きていってくれるだろうか。それぞれの年代、それぞれの立場で不安は様々。数え上げればキリがない。 しかしそういった不安に先立って、生きること自体が初めての私たちは、生きる根底において漠然とした不安を抱えて生きている。何しろ、「今日」という1日を生きたことがない。これから経験することは全て初事である。 それなのに。こんなことは出来て当たり前。上手くいかなかったら役立たず。親の責任。子供の義務・・・。 見えないプレッシャーに潰されそうだ。負けてはならないと気を張って、自分はもっとできるはずと見栄を張る。そして、そのことが、不安を更に深めていることに気付かない。   大丈夫だよ　生きていけるよ   という祖父江氏の言の葉は、「あなたはあなたであるから輝けるのだよ」という、阿弥陀からの優しくも厳しいメッセージだ。他と比べることなく、背伸びすることなく。今、あなたにできることをあなたなりに。それだけでいい。 その声を聞きうなずくところに、いのちは輝く。  釋法遵